皇位継承について考える

現在の皇室に、というか、皇太子の子供に男子がいないことから二代後の天皇は誰になる（する）かという議論がさかんに行われている。

ばるしゃんは天皇も皇室も好きではないが歴代天皇一覧表をみてみた…

井上光貞著｢日本の歴史１神話から歴史へ｣によると、現在の皇室の起源が第１５代応神王朝であることは確かなようだ。

神武天皇は明らかに神話上の人物であり、その後８代は日本の民族が文字や暦をもつ文明の段階に達した後、その王命表である帝記の中に、架空につくりあげた天皇群であるらしい。実在したとされる第１０代崇神天皇から続いた王朝は応神王朝に取って代わられたことになり、応神天皇は先の王朝とのつながりを考えると”入り婿”というポジションがせいぜいである。

この皇室の系譜としてほぼたしかな応神以後は、皇位の継承は父子継承というような単純なものではなく、独特の皇位継承法があったようだ。

それは、兄弟が次々と位を継ぐという傍系相続の原則と、次の世代には摘長子（最有力の妻の子）たる大兄の子が優先権をもつという原則との二つの原則に立つ皇位継承法であった。これは、家父長権の発達以前の傍系相続から、家父長権の強い長子相続に移ろうとする過渡期の形態の家督相続法に基づくと考えられる。

 ただし、この皇位継承法は原則であって、当然ながら、王位獲得をめぐっての皇族間の激しい争いや醜い争いもあったろうし、その時々の政治、権力者の都合で天皇になれたようなことも度々あったことであろう。

こうした歴史の中で、これまで男系天皇を維持できたのは確かであるが、それは皇位継承権を有する男子が沢山いたからである。それは、昨日も述べたように『一夫多妻制』のなせる技であったのである。摘長子がダメでも傍系をも含めて男子がいくらでもいたからである。一方、今般の『一夫一妻婚』では男系天皇が途絶えるのは必定であったのである。

しかるに、おそらく女系天皇では日本国民の統合の象徴にはなれないであろう。戦勝者のGHQでさえ、日本人の心の中にあまりにも強く沁み付いていた”天皇制”を存続させ利用せざるをえなかったのである。

今後、この日本にひとたび”重大事”が起これば、必ずや”天皇”の出番がくることになるのであろう。それも、そうした時には絶対に強い男系男子天皇でなくてはならなくなるであろう。それは残念ながら歴史の必然なのだ。無理矢理女系天皇を認めてもいざという時にはおそらくなんの役にも立たないであろう。

では、今の男系天皇途絶の危機にどうすればよいのであろうか？

少なくとも現内閣は放っておけばよいのである。

皇太子あるいは秋篠宮にまだ男の子ができる可能性だってあるであろう。あるいは、重大事（の直前）になれば、現在皇族から外れているところの男子あるいは男系家族が即位できるようにすることもできるのである。もしかしたら何処かで既にそうした男子が見つかっているかもしれないし。

もっと先には、男系の元であるY染色体を次代以降未来永劫伝える方法だって合法的に用いられるようになるかもしれないのだから…

ばるしゃんは天皇も皇室も好きではないがつい考えてしまったのであった…

コメント 8

個人的な意見ですが…
50数年前に象徴天皇に制度が変わったので、それ以前の系統なんかどうでもいいような気がしてならないです。今更旧皇族を復帰させるなんて方が私は許せないし、こんなくだらん議論でもめるようだったら、天皇制は維持すべきと思う私なんかでも国民統合の象徴になりえない天皇制なんかいらんと思いますです。
大体あのヒゲ野郎はあんなことを言うんだったらまず自分で男の子が生まれるまで努力すりゃ良かったんじゃないかなーと。自分の置かれる立場もわかってない傍系はリストラすべきじゃないかなー…なんて暴言ですかね。
まあ私は今の案は今の案で、女性皇族全てが残ることを選択することができるという案になっている時点でよろしくないと思っております。そんなことをしたら財政が破綻してしまいますので、男女平等といっても総数制限はすべきではないかなと。
自分にとってはどうでもいいことですが。長文お粗末でした。
by たま (2006-02-03 02:30) 

皇統にいわれている”万世一系”が本当なのかどうかということですね。本編で述べたように応神天皇の時に少なくとも一回は別の血が混じったか入れ替わったかであり、この時点で既に一系ではなくなっていると考えられます。
それでも、応神天皇以降が一系だとしたら、１６００年以上にわたって同じY染色体をたどれるという意味での価値はあるのではないでしょうか。そして、ついにそれが途絶えるという歴史的瞬間に我々は遭遇しているのかもしれません。応神陵以外は仁徳陵をはじめほとんどが盗掘されているということですが、応神天皇と今上天皇あるいは皇太子、秋篠宮とのDNA鑑定がされて一致が認められれば、それが途絶える意味は大きいといえるでしょう。尤も我々だっていずれの御時かの御落胤を受け継いでいるやもしれないのですが。
そうした意味で天皇には意味があるとしても、いわゆる皇族はなくてもよい存在ですね。そもそも”族”なるものは部外者がかってな分類をしようとして用いている言葉ですので、悪く言えば十把一絡げ、不純物の集まりですから。
いずれにしても、日本の場合天皇制とは名ばかりで、いつの時代も”錦の御旗”が権力者に利用されてきただけであるし、皇族と呼べるほど高貴な集団でないことは間違いないでしょう。
ただ、女系天皇では全ての意味が失われてしまいますので…この点については全ての女性がアフリカにうまれたたったひとりのEVEのミトコンドリアを継いでいるという説もあることから、女性天皇なら誰がやっても同じでしょう…
（けっして男尊女卑発言ではありません。念のため＞みぃも殿）
by ばるしゃん (2006-02-03 22:19) 

女性天皇と女系天皇の違いを知ったのがここ最近、という程度の関心しかもっていませんが、歴代天皇一覧表なる（高貴な？）Ｙ染色体のバトンリレーは素直にすげーなぁと。と同時にバトンを次世代に渡さなければならない人達の重圧たるや相当だろうと思ってしまいます。なんせ1600年以上の歴史の重みですからねぇ。ばるしゃんさんの言うとおり「一夫一妻婚」が続く限りは、例え今回何らかの形で（ヒゲ経由でもインビトロでもいいですが）男系でクリア出来てもいずれはまた同じ問題が起こるでしょう。そしてＹ染色体の重みも世代が進むごとに増していき、玉袋だってもちこたえられませんよそりゃあ！と大した重みもないのにだらりと垂れ下がった自分のＹ染色体格納庫を眺めながら「おまえはよかったな」と呟く僕。つまり個人へのプレッシャーを考えたら女系でもいいんじゃないのーと、バトンは（高貴な？）Ｘ染色体でも問題ないんじゃないのーと言いたくなってしまいます。
by kasokage (2006-02-04 00:14) 

（けっして男尊女卑発言ではありません。念のため＞みぃも殿
今やそんなことを言う元気はないです。昔はよく大議論しましたが。
by みぃも (2006-02-04 07:35) 

X染色体をたどるのは至難の技でしょうね。それより、Y染色体の連続性が途切れたところで”ハイッおしまいッ”でいいんじゃないかな。一般庶民の場合、核家族化によって、あちこちで途切れているわけだし…
by ばるしゃん (2006-02-04 17:41) 

まさに瀬戸際です（笑）。はいよーしるば～
by kasokage (2006-02-04 22:01) 

別に女系になったとしても元皇族のなんとかさんがきちんとY染色体を維持する家系図を作ればいいだけで別に皇族である必要はないと思うところです。ここらへんは石原都知事の意見に逆の意味で賛成かなあ。ま、なんにせよ自分にはどーでもいいです、日本と世界が平和なら。
by たま (2006-02-06 01:17) 

当該”Y染色体格納庫（本物かどうかは知りませんが）”をぶらさげているとされている２０～３０歳代のやんごとなきお方が十数人も点在しているとのことですので、この点を皇統という線上にもってくるのは案外たやすいのかもですね（点と線？）
石原都知事は憎めない（喰えない）奴です。何を言っても（真面目には相手にされないということを理解してしゃべくっているので）大丈夫と思っている確信犯ですから。
ところで、この石原都知事、神巧皇后に加担して応神王朝の誕生に深く関わったと（古事記で）いわれている実力者、建内宿禰を彷彿させる人物ですね。その建内宿禰は、応神天皇の父である仲哀天皇に無理矢理琴を弾かせたあげくに死なせているのですが…
平和が一番。その通りだと思います。
by ばるしゃん (2006-02-06 22:29)