一夫多妻制を…
何事についてもはっきりものをいえる石原慎太郎氏はうらやましくもあり、人間としては結構好きな部類の一人である。
石原都知事「モテる呪文、聞きたいねー」 ハーレム男うらやましがる
東京都東大和市で、一夫多妻制のような集団生活に加わるよう専門学校生の女性(20)を脅したとして逮捕された渋谷博仁容疑者(57)について、石原慎太郎都知事(73)が27日の定例会見で「1人の男として考えると、夢みたいな話でね。はぁー、とただただ嘆息する」と発言。露骨に“ハーレム男”をうらやましがる一幕があった。
渋谷容疑者は、女性にモテる」という謎の「呪文」で女性たちを勧誘したとされるが、慎太郎知事は「呪文、ぜひ聞きたいねー。ハリー・ポッターみたいにね。それを唱えれば、天下の美女が手に入るなら、男は万金を払ってでも知りたい」とニヤリ。続けて「女の人は、そんなに呪文に弱いのかね。日本人全体が呪文に弱いからね。もう少し詳しく(事件の)実態が分かったら教えてよ」と興味津々の様子だった。 ースポーツ報知よりー
今回はこの一夫多妻制について考えてみたいと思う。
結婚の形態としては「一夫一婦婚」、「一夫多妻婚」そして「一妻多夫婚」の三通りがある。
”古代社会”の著者L.H.モーガンによると、人類史における結婚史は次のようになる。
人類は原始の採集狩猟時代、「乱婚制」から出発したが、やがて、近親婚を避けるようになり、パートナーもしだいに固定されるようになった。
やがて、農耕の時代に入ると、初期農業の主たる担い手であった女性の力が強くなって母系・母権の時代に入り、「一妻多夫婚」も行われた。
次の集約的農業の時代になると、農業の主役は男性に代わり、父系・父権の時代となって、「一夫多妻婚」が出現する。
最後に、「文明時代」に入って、最も文明的な「一夫一婦婚」が一般に行われるようになった。・・・
というものである。
このような仮説はわかりやすく、面白いが証明不能でありあくまでも推論でしかないとのことである。
「一妻多夫婚」については、実際には世界の三ヵ所でしか報告されておらず、その三ヵ所とはヒマラヤのチベット族、南インドのトーダ族そしてポリネシアのマーケサス族であったそうで、それも過去にそのような形の結婚があったというだけで現在はおこなわれていないらしい。
さて、本題の「一夫多妻制」であるが、伝統的な社会によっては、首長など高位の人が一人で十人を越える妻を持ち、このことが彼らの社会的地位の高さ、経済的豊かさの象徴でありうるということがあったのである。
「一夫多妻制」といっても、その社会のすべての男性が複数の妻をもっているわけではないのである。
地位が高く、はたらきもある男性は数人の妻をもてるが、妻をもつにあたって支払わなければならない財産を稼げないような男性は、一人の妻をもつのがやっとである。
日本では、豪族、天皇、大名、将軍などが「一夫多妻」を可能としてきた。
そして、はっきり云ってしまえば…
天皇が男系を維持できたのは「一夫多妻」を維持できたからであろう。
庶民と同じように「一夫一婦婚制」を守る皇室では男系の維持は無理であろう。
これは、現在の少子化問題についてもいえることであり、「一夫一婦婚制」を崩さない限り少子化の問題は解決しないであろう。
フランスは少子化を克服したといわれるが、一方では生まれる子供の数は婚外子の方が多いとも報道されてる。
こんな話もある。
アフリカにやって来た西洋人は一夫多妻婚や未亡人の再婚を不道徳な慣習として禁じ、一夫一婦婚を奨励した。
これによって多くのアフリカ女性は一人の夫を共有することによる嫉妬や妻同士の面倒なつき合いから解放されたが、他方で未亡人や年取った女性が路頭に迷うことにもなったということである。
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なお、一夫多妻婚とは、正妻が一人いて、ほかにお妾さんだの愛人などが何人かいるというシステムとはまったく別だということである。
いずれにしても甲斐性なしのばるしゃんには全く関係ないことではあるが。。。
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参考文献:綾部恒雄・田中真砂子編 ”文化人類学と人間” 三五館(1995)
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